南アルプス市の南、早川町のカツラ並木を見て以来、カツラに取り憑かれて、南アルプス市の観光案内の通り、紅葉時、モミジ・カツラとある伊奈ヶ湖に向かう。途中から山の中へ入って行く。街路樹ハナミズキがワイン色に染まっている。神社へ続く、イチョウ並木もきれいだ。手の届きそうにない山の頂付近は、ゴブラン織りのふくよかな色に染まっている。つづら折れの道は、勾配を上げて、車に負担を強いる。と、左に鏡のように映る緑色の水をたたえて、湖面が広がる。伊奈ヶ湖だ。周囲は2~3百メートルの遊歩道。湖面との境にモミジが真っ赤に色付いている。その先の北伊奈ヶ湖の湖周でもモミジの紅葉がまぶしい。
早めについたので、山梨市へ。ほったらかし温泉を目指す。坂というよりも丘の町だ。市の外周に沿って上る。フルーツパークの園内の紅葉が美しい。オオモミジ・ユリノキ・イタヤカエデ・ケヤキ・サクラ・カキ・カツラ・モミジバフウ・ハナミズキそれぞれが、最後の色までの色変わりの過程をものの見事に表現しながら、日に映えて、透けて、風に揺れて、葉を落としている。モミジバフウは、手のひらサイズの5裂の葉に、ワイングラス一杯に注いだ時の濃いワインカラーに染めながら、色あせるとは思えない艶のあるレザーの光沢を蓄えている。残念ながら、静岡では、この時間は訪れることなく、ほんの一瞬、色を付けたかと思うと、カサカサと音を立てて枯葉となって落ちる。もっとも、街路樹はその前に、掃除の煩わしさからか、市の清掃員が、枯れる前に枝を払ってしまい、裸にされ、瘤だらけになった木々が寒風にさらされることになる。いい紅葉でした。見ごろは、11月はじめまで。
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